非常に良い時間でした。サムネイルの写真の付近にいたんですけど、このスペースは神戸さんの関係者席だったようです。
神セブンのポスターも貼り出されていました。
先制ゴールの時は大歓喜の渦に包まれ、村上選手がハイボール処理をミスったシーンは冷や汗をかき、ジョンマリや城後のシュートが外れた時は体を捻って悶絶する。ただでさえ暑い中、観客の熱気もすごいので汗が滲む。昨日のベススタには他では得難い感動と興奮がありました。
では振り返っていこうと思います。
スターティングメンバー
ベンチ入り3人です。先日加入した平塚選手がいなかった場合、交代にGKしかいないことになります。森山、山ノ井、前嶋が追加で離脱してしまったようです。なかなかメンバーが発表されませんでしたから、おそらく直前で誰か出場できなくなったのだろうと推測しています。ちょうど空港のバス待ち〜乗ってる間の話だったので、結構皆さんざわついていました。
あきらかに異常な事態なのに、1st.legで耐性が付いてしまったようです。もしくはジョンマリが程よく余裕を見せてくれるので、チームがいっぱいいっぱいにならずに済んでいるというか。そんな感じでしょうか。
神戸さんはイニエスタや大迫、怪我から復帰が記事に出ていた武藤がいません。しかし、前回途中出場でチャンスを演出していた汰木や、右サイドで意欲的に攻めていた飯野などはベンチにいます。
アビスパ福岡を中心に振り返る
前半
福岡の入りは4バック。左大外の輪湖と右大外の湯澤が連携し、片方が上がれば片方が下がる形で形成。
5分、ジョンマリの抜け出しとGK前川が接触。マリからすれば視界外から前川が入ってきたような感じなので、強い衝撃が想定外にきたはず。ちょっと怪我が怖かったシーン。
8分、ルキアンが自陣左サイド深くで郷家と1体1の守備。デュエルに勝って当ててマイボールに。1st.legで感じた時と同様、ルキアンのサイドハーフ適正は高い。特に上下動が激しい福岡のサイドハーフを見事にこなしている。
10分あたりからは541。神戸のダイレクトプレーが機能しだし、福岡はプレスを控え気味にブロックで対応。試合開始早々にフアンマが高めに位置して得点を狙っていたのかもしれない。落ち着いてきたのでブロックに変えたという主体的な理由にも見える。
15分、福岡はロングボールにジョンマリとトゥーレルの勝負。ペナ横でマイボールに。去年以上にマリがボールを収められるプレイヤーになっていると思う。長いボールを前線に送って高確率で収まるなら相当大きい。今のような連携が不安な布陣では特に。
541になってからは神戸がボールを持ち、ジョンマリの横のスペース(ルキアンやフアンマの前)にボールを回し、そこから斜めにディフェンス裏を狙う形が続く。実際これでクロスまでは上がっているが、シュートシーンは作らせず。ゴールまでの直線的なボールは通していない。
27分、左サイド輪湖からルキアンへ。ためて右足でクロスにジョンマリのヘディング。うまくヒットはしなかったものの、ルキアンのクロスは質が高い。
31分、福岡のショートパスをダイレクトに繋いだ攻撃。ゴールから少し遠いもののバイタルでFKを獲得。ジョンマリが助走短く蹴るものの大きく外す。
続けて33分、福岡の繋いだ攻撃。グローリの縦パスが起点となって柳が右サイドを突破。CKを獲得するも合わず。セットプレーを続けて取れているので生かしたいところではある。
34分、35分とジョンマリ絡み。DFを背負ってマイボールにしたり、アバウトなボールをロブ気味にロングシュートしたり。シュートは惜しいものではなかったが、試合中に笑顔が多い気がする。
38分、ジョンマリが相手陣内で槙野からファウルをもらってFK。少し角度があるので平塚が合わせるボールを蹴るも大きくなって流れる。やはりセットプレーは今日もったいないシーンが多い。
40分、競り合いでトゥーレルの肘がジョンマリの後頭部に入り、外に出る。大事には至らず戻る。
42分、神戸の左サイドの攻撃。これをクリアし、ボールが外に出切らないところをジョンマリが鬼キープ。そして一人で持ち上がってスペースに丁寧に出す。長い距離をDFを抑えながら上がってきたルキアンがゴールに流し込んで福岡先制。1−0。
44分、浮き球処理でフアンマがファウルをもらう。FKは平塚が蹴るもののゴールを大きく外す。
AT3分、神戸のCK。ファーで槙野がヘディングで合わせ、枠に飛ぶもDFがブロック。
前半終了
大きな流れとしては福岡の理想通りの展開。
セットプレーを多く獲得できてましたから、これは枠に飛ばして行きたいところ。平塚はキッカーとしては前半フィーリングがあってなかったようです。しかし、準備時間がない中で初出場した選手としては十分機能していると思いました。特に守備の強度を保ちつつ、相手ゴール前まで走り込めるところがよかったです。ルキアンがサイドで起点に多くなっていたので、中に数を増やす動きは効果的だと思いました。
後半
両チーム共にハーフタイムの交代はなし。
後半開始早々ジョンマリとルキアン二人でパス交換で相手ゴール前へ。ジョンマリは相手を背負ってから前を向くまでが強くて上手い、ルキアンは前を向いてプレーする機会が増えたことで、上手さの部分が発揮されやすくなった。
福岡は村上のキックからフアンマ→ジョンマリという狙いが明確。相手もわかっているはずだが、フアンマはほぼ競り勝っている。
8分、神戸は左サイドからFK。クロスだと思うが直接ゴールを脅かした形で、村上がパンチで防ぐ。その崩れからのミドルは枠外。
9分、ロングにフアンマ→ジョンマリ→フアンマ→ルキアン→ジョンマリのシュートは前川ブロック。前線3人だけで完結した攻撃。フアンマの空中戦勝率が非常に高く、ヘディングでマリに繋げることができている。
湯澤が敵陣深くまで突破してマリへパス。マリが囲まれて取られてしまったが、この辺がメンバーが揃わず連携取れていないと思えるようなシーン。本来はサイドで3人絡んでパス交換しながらゴール前へ迫る形を作れるチームだと思う。
14分、神戸コーナーキック崩れから中坂のミドル。枠外。
15分、村上がハイボール処理を誤る。神戸はすぐシュートを打つもポスト、跳ね返りもシュートするが枠外。今日一番危なかったシーン。
16分、神戸は左のハーフレーンを攻略。ペナ内でグラウンダーのクロスを入れるも中に人はおらずクリア。直接シュートを打たれても危なかった。連続して神戸がチャンスを迎えている。
19分、神戸はトゥーレルと大崎が下がって櫻内と佐々木が入る。
24分、輪湖のインターセプト。持ち上がってジョンマリに預け、右サイドを抜け出したフアンマへパス。ペナでためたフアンマが中に走り込んできたマリへパス、しかしシュートは浮いてしまう。綺麗なカウンターのシーンだった。
29分、神戸の攻撃。ムゴシャがポストとなってペナで中坂へ。トラップが浮いてしまい効果的に攻めれなかったが、綺麗な崩しの形にはなっていた。危ないシーン。
31分、神戸はクロスからムゴシャのシュート。村上のセーブ。
神戸は汰木と飯野が入り、井上と中坂が下がる。
福岡は全体的に少し運動量が落ちてきている。交代できない厳しさが少しずつ表面化。それでも気力の充実から足が止まるまではない。
33分、福岡はパスを繋ぎ、バイタルで城後のミドル。わずかに枠外。
34分、ジョンマリに替えてクルークスが入る。フアンマがトップに回ってクルークスは右SH。
37分、神戸は郷家に替えて山口蛍が入る。
神戸はゴール前に放り込む回数が増える。グローリを中心に跳ね返す。
38分、ルキアンが自陣で相手を背負いつつファウルをもらう。きつい時間に大きな仕事。そこからロングボールをフアンマにあて、それもマイボールのスローインに。前線の外国籍選手達が徹底してマイボールの時間を確保していく。
42分、神戸は遠めから小林のロングシュート。村上のキャッチ。
45分、フアンマが足を攣って倒れる。直前のプレーでも倒れながらディフェンス。元々チームへの貢献度が高い選手ではあれど、こういった肉体的なギリギリをいくのがこの2試合特に目立つ。
AT3分、神戸は右サイドから繋いでゴール前へ。トラップできずに村上がキャッチ。
AT4分、フアンマが相手に蹴られたような形になってうずくまる。これは現地ではよくわからなかったものの、VARの結果流した形に。今日SPOOXで見てもやっぱりよくわからなかった。
AT6分、フアンマが右でためを作り、左のルキアンへ。ルキアンは自力で突破してペナに迫り、フアンマがミドル。これはブロックにあう。
そして長い笛が鳴り、ピッチに倒れ込む選手達。
試合終了
1−0で福岡の勝利。2連勝で福岡初のルヴァンカップベスト4決定。
ジョンマリの夏加入に尽きる。この状況下で連携による崩しもできない。それでもなんとか結果をもぎ取れたのはジョンマリのワントップという新布陣を敷けたからに他ならない。
ルキアンとフアンマのサイドハーフも素晴らしかった。フアンマはフィジカルから潰れ役になることも多い選手ではあるが、さすがのスペイン人選手というべきか。サイドハーフとなって効果的なパスが増えている。心なしか視野も広く感じる。
ルキアンはシンプルに色々上手くて体も強く、スタミナもある。ジョンマリが相手を引きつけてくれる分、ルキアンの引き出しの多さが色々出せる。ジョンマリとの距離感もよく、お互いに孤立しない関係性を作れているように見える。
新加入の平塚は城後とよく連携できていた。城後が全体のバランスをとっていて、この大一番のチーム内指揮をとっているような印象を受けた。最後にフィールドに倒れ込んだシーンは胸熱だった。
両サイドの湯澤と輪湖もよかった。特に輪湖は志知の牙城が高くてリーグの出番が長くない状態が続いていたが、今回の気持ちの入り方は鬼気迫るものを感じた。
CBは3人とも安定していたし、特にグローリは空中戦100%勝利だったのではなかろうか。先月末の試合でグローリが前半最後にきつそうだったのが心配だったが、この人数不足の中でグローリの存在感は凄かった。
村上は一つ大きなミスをしてしまったものの、キックのミスも少なく攻撃へ繋げていた。神戸さんがペナに侵入してきた時のコースを限定させる守備は安定していたし、ディフェンスは崩されないという安心感を与えることはできていたように思う。
次は中3日でアウェイ鹿島戦
どれだけの選手が戻ってこれるのか未知数ですが、中3日あるのは幸いです。特にこの暑さの中で交代できないわけですから、中2日ではないだけでもかなり違うはずです。
そして鹿島さんは監督交代直後の試合。清水さんの時もそうでしたが、スカウティングが機能しにくい監督交代直後の試合は難しいです。正直なところ監督は交代せずに対戦したかったとは思っています。
しかし、鹿島さんからしても福岡のスタメンはある意味読みにくいかもしれませんね。福岡のサポーターもおそらく発表されるまで全くわかっていないですから。ある程度戻ってこれることを期待してはいます。前線は外国籍3人に頼ったこの布陣も良いのですが、過度の強度を強いると筋肉系トラブルにも合いがちです。
アウェイ鹿島戦を終えれば中5日でホーム川崎戦です。鹿島戦までが連戦で我慢のしどころのように思えるのですが、腱を痛めたりすると選手寿命に関わってきます。可能な限り、選手の入れ替えは行いたいと長谷部さんも考えているのではないでしょうか。
今回、通常では考えられないような感染症と戦いつつ、クラブ史上初のルヴァンカップベスト4を成し遂げました。素晴らしいチームです。願わくば城後が言っていたように、タイトル獲得まで駆け上がりたいですね。