フアンマが長崎へ完全移籍

昨日発表されたフアンマの移籍。

長崎さんは高木さんが取締役に就任するということで、フアンマを呼び戻したのかなと推測されます。かつての高木さんの言葉にもあるように「得点は少ないけどチームの為になる選手」なのは間違いなく、タフなJ2を勝ち上がるのに必要な存在と認識されたんでしょうね。

非常に特徴のある選手でもあり、3年間の在籍ということもあり、色んな思い出があります。イエローカードの枚数が非常に多いのに退場が一度もないというのは何気にすごい。イエローカードも大体審判に異議を唱えすぎてもらっている印象です。

今年のフアンマ

今年も同ポジションのライバルにルキアンという強力な選手が入り、シーズンのスタートはベンチから。しばらくは途中出場が続くもののチームは引き分けが多く、スタメンとして出番がやってきたガンバ戦でいきなりのアシスト。強引にチャンスにしてしまうフィジカルで存在感を示しました。

その後、勝ったり負けたりではあるもののスタメンを維持。5月〜6月に連敗してからはスタメンをルキアンへ譲りました。7月は2勝2分と負けなしで進み、チームは順調に進むかと思えた矢先にクラスターが発生。今年のフアンマが存在感を特に発揮したのはここからでした。

ジョンマリがワントップ、左にルキアン右にフアンマのシャドー。しかし、選手が揃わなくコンディションもよくない状況の中、フアンマはシャドーというよりほぼSHといった立ち位置で、主にミドルサードでボールを落ち着かせる存在でした。ルヴァン神戸戦の初戦ではロングボールに競ってジョンマリのゴールをアシスト。ここ一番の活躍もしました。

このシャドーでのプレーでも目立ちましたが、今年のフアンマは視野の広さと足元の技術でチームを活性化させてくれたと思います。これまではフィジカルや献身性をフィーチャーされることが多かったですが、さすがスペイン国籍の選手なんだなと個人的には感じるシーズンでした。

秋以降はチームの主役だったと言ってもいい。

ルヴァンホーム広島戦では最後の最後にフアンマのゴール。2−3で敗れた試合だしアウェイゴールを考えても相当厳しい状況には変わりなかったですけど、それでも2戦目に希望を残してくれた執念のゴールでした。決まった瞬間のゴール裏はそれはもうやばかった。選手がスタジアムから去るまでずっとアビスパオーレ。フアンマがアビスパの闘志に火をつけた瞬間だったかもしれません。

そしてシーズン最後の3試合連発弾。アウェイ札幌戦のゴールはベンゼマを彷彿とさせるフアンゼマ弾。ルヴァン神戸戦以降目立つフアンマの足元の技術を見ることができました。さらに湯澤のクロスからフアンマのヘディングが2試合連続で決まる。特に最終戦のはすごかった。スペースに湯澤が鋭いクロスをあげ、そこにフアンマが飛び込んでゴール。まさに残留を手繰り寄せるゴールでした。

年間通してゴール数は少ないかもしれませんが、非常にインパクトのある活躍だったと思います。

ロングボール

フアンマがいることでできる戦術とも言えるし、それ一辺倒になりやすいとも言えるのがロングボール。GKやDFからロングボールを放り込めばフアンマが高確率で競り勝てる為、使用することが多いです。さらに、今年は中盤以降選手のコンディションにばらつきがあった為、確率論からロングボール一辺倒になりやすかった気がします。ルキアンの場合は降りてきて楔となって散らす動きなので、フアンマがロングボールに競る形とはまたちょっと違う。

でも今年見せてくれたように、本来プレイに幅がある選手です。フアンマが降りてきて楔となることは技術的に可能だったと思いますが、フアンマがトップで出場する試合では大体DFラインから下がってくることはない印象でした。フアンマが下がらないからこそ空いている中間ポジション(主にバイタル)をもっと上手く使えると攻撃の幅はできたと思うのですが、そこは今年あまり上手くはいかなかったところかなと思います。

来年いないことについて

今季はジョンマリ・ルキアン・フアンマと3人の高年俸選手がいた為、3人のうち1人はいなくなる可能性が高いとは思っていました。限られた人件費で編成する為に仕方ないと思いますし、そもそもFWが余剰気味。得点を決めやすいポジションということで手厚い編成なのはわかりますけどね。

フアンマは去年もジョンマリ・メンデスといった強力なFWを抑えてスタメンを勝ち取りましたし、今年も一番ピンチのところではフアンマが頼れる存在でした。2020に昇格を決めた年の存在感も強く、3年間ずっとアビスパの力になってくれました。

時間稼ぎしたり審判に文句を言ったり。応援しているクラブの選手じゃなければ、嫌いになっている人ももしかしたらいるかもしれません。個人的にフアンマが凄いと思うところは、こういったチームの為に嫌われるようなプレーも率先してできること。在籍クラブのサポ以外には理解してもらえなくても、そこのサポにとってはとても大きな存在。ある意味サッカーをやる上で覚悟が決まっている選手という感じでしょうか。勝ちへの執着を植え付けてくれる存在。

来年フアンマはアビスパにはいなくなりますが、ぜひ長崎をJ1にあげる活躍をしてもらって、J1で再来年対戦したいと思います。今後の活躍を祈っています。

今回はここまで。

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