前半戦の振り返り part.2

前半戦の振り返り part.2

今回はサイドバックが中心です。リーグ戦のデータは前回同様フットボールラボさんから。

出場時間をベースに考察

右SB

選手名出場試合数スタメン数ベンチ入り数ゴール数アシスト数出場時間(分)
前嶋109211704
湯澤138700743
51400142

前嶋

今年新加入の思考型サイドバック。ピッチ内を広く動き、使う側使われる側両面で活躍。開幕戦で今年の初ゴールを決めるも、第2節の開始12分で筋肉系のトラブル。ちょうど1ヶ月後の鹿島戦で復帰し、右SBのレギュラーとして活躍中。

最後尾からゲームの流れを読んだプレイを出来るのが強みの一つ。中に入ってボールを散らす”偽サイドバック”としての動きもあり、前線でディフェンスラインの間に入ってボールを受ける動きもある。一つ前に位置することが多いクルークスとのコンビは非常によく、クルークスがボールを受ければほぼ確実にディフェンスを1枚釣る動きをしている。

ディフェンスにおいても粘り強い。福岡のディフェンスラインとしては身長が高い方ではなく、絞って跳ね返すというイメージはあまりない。がしかし、平面ではフィジカル負けすることはまだ見たことがない。去年前半は主にエミルが務めた右SBだが、セットプレー以外の面で十分に穴は埋まった。主にクルークスがクロスを上げることが多い右サイドにおいて、最適解を選ぶように動く前嶋は適任。個人的には川﨑Fの山根を彷彿とさせる選手だと感じている。博多の青井葦人。

湯澤

長谷部監督就任と同時に移籍してきて3年目となる今年。

8試合スタメン7試合ベンチ入りということで、ほぼリーグ戦には絡んでいる。右SBでカウントしているが、左SBやDFWとしての起用もある。どこで起用されても献身性を発揮できるのが最大の強みだと思う。

今年は途中、積極性を失う時期があった。アビスパの得点力をクローズアップされる際、一つの要素としてクロスの精度があるからだと思われる。深く切り込んで低めのクロスを上げる場合はチャンスを演出できるが、アーリークロスでFWの頭を狙うと上手くいかないことが多かった。

しかし、粘り強い守備こそ真骨頂。キーマンを相手にする場合は間合いを詰めてしつこくマンマーク気味でプレイできる。率先して汗をかくことができる良い選手。だいぶ前だが、現在アカデミーでU-15の監督をしている宮本亨に近い選手だと個人的に思っている。

湯澤同様、ポリバレントな選手。前嶋が怪我で離脱している中、札幌からレンタルで加入。

加入後も諸事情で出場できない時期があったようで、まだ実力をしっかりと発揮できるているわけではないはず。

加入後すぐの途中出場で、縦に速い突破を見せた。迫力もあったし、何より足が速かった。まだ数本しか見ていないが、クロスは綺麗な軌道で頭を狙っていた。スタメンで右SBとして出場した試合では、まだ守備面の連携が構築できていないように個人的には見えた。キャンプを経験しているわけではないし、ある程度仕方ない。

かなり暑くなってきた今後、存在感を発揮してほしい選手。ルヴァンはレギュレーションによりGSに出場できていなかったが、プライムステージからは出場可能。後半戦の上積みになりそうな存在。

左SB

選手名出場試合数スタメン数ベンチ入り数ゴール数アシスト数出場時間(分)
志知17161001439
輪湖000000

志知

去年J1に上がったと同時に加入した2年目の左SB。

リーグ戦17試合のうち17試合出場(スタメン16試合)ということもあり、左SBの完全なレギュラーとなっている。

強みは身長とフィジカルを生かした守備。2CBとほぼ変わらない高さで跳ね返すことができる。また、試合終盤まで尽きないスタミナも売りと言えると思う。

しかし、今年は攻撃面で数字を残せていない。ここまでボールを持てる試合も数試合あったが、クロスがFWまで届かないというシーンも多かった。引いて守る相手を崩すのは誰でも難しいとは思うが、リーグ戦全試合出場でアシスト0は寂しい。

ルヴァンGSではフアンマに最高のアーリークロスを上げてアシストをした。非常に綺麗な弾道のクロスだったし、大外じゃなく内に入ってペナ角付近からのクロスだったというのが意外性あってよかったと思う。引いて守る相手に大外からのクロスになりがちだが、少し中に入る動きもあっていいのかもしれない。まあ、学生サッカーしか経験していない素人の意見に過ぎないが。

左SHが田中の場合、SBとしては主に「行ってらっしゃいパス」になりやすい。同ポジションに北島や杉本がいる場合は、パス&ゴーで前に上がっていくことが多い。北島や杉本は前と右の90度角で保持して起点となる為、自陣深くからでも上がる余裕ができることが大きい。アーセナルで冨安の前にぺぺ or サカだった頃を思い出す。DFラインの裏に広いスペースがある試合では、田中が縦に抜け出してペナ付近まで行く為、それでOKなことも多い。

輪湖

アビスパ在籍5年目。井原アビスパを知る数少ない選手の一人。

今年のリーグ戦はベンチ入り含め0。カップ戦で主にキャプテンマークを巻いている。

ルヴァンGSの前半では、経験の少ない井上熊本をDFラインでリード。一時的にCBそのものをやったタイミングもあったような。あれは多分ディフェンスの仕方を試合の中で実際に見せたということだったのではなかろうか。

ルヴァンF東戦だったと思うが、裏を取られる回数が多かった。相手のウイングがキレキレだったこともあるが、井上と連動した守り方による部分が大きいはず。サイドで意図的に飛び出して保持者にプレスするも剥がされ、その後に井上がカバーに回る。相手がコテコテのドリブラーだったように見えたので、構えて待つ形でもいいのではないかと当時感じていた。

ルヴァンの数試合、しばらくは効果的なクロスがなかった。元々、輪湖といえば綺麗なカーブがかかったピンポイントクロスが魅力のはず。

そう思っていたところ、今月1日の天皇杯ではキレキレの輪湖が見れて嬉しかった。縦の意識が強く、ペナ横からクロスを演出。城後が合わせられていればゴールだったというような高速クロスもあった。

守備面では志知の方が安定してそうではあるが、ボールを保持すると決めて臨む試合では輪湖の出番があるはず。福岡のサイドバックで一番綺麗なクロスを上げることができる選手だと思うので、リーグ戦で健在ぶりを発揮してほしい。

サイドバックだけで終わってしまった

本当はサイドバックとボランチを一斉にやるつもりでしたが、文章が長くなってきましたのでまた次回。

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